定格

先の中検1級のディクテーションで書けなかった単語である。そもそも試験で失点するのは、
まるでわからないのと、うっかりしたり勘違いしたりのミスと2種類ある。この「定格」
という単語は、明らかに前者に属する。つまり、忘れてしまった、とかいうことではなく、
全く見たこともない、勝負で言えば完敗である。こういう失点は、なぜか心地よい。
自分がまるで知らなかったわけだから、正答できるわけがない。自分はまだまだ
実力不足だからもっと頑張ろう、という気持ちが起こりモチベーションのアップに
つながる。これに対して、うっかりや勘違いは、とても気が滅入る。知っていたのに、
答えられなかったというのは身にこたえる。これだけはさすがに避けなければならない。
知らなかった方は、堂々としていればよくて、さらに研鑽を積むようにすれば
よいのである。今回この「定格」という単語は、全くの未学習の分野だった。「于是,
他一个人沿着铁轨走了很长的路,终于将那朵花
()在蓝色的天空中。」という文章を聞いて書き取るときに、この単語に
出くわした。かっこ内に入る言葉である。「把」構文なので、当然ここは動詞が
要求されるところである。たしかに読み上げられた音は、dìnggé とは
聞こえたけれど、自分ではこの単語は名詞としてしか、認識しておらず、この場所に
入れるわけには行かないと思うと、オツムが混乱してしまった。時間にももちろん
追われている。試験後、辞書を調べまくり、講談社の「現代中国語新語辞典」で
その記載を見つけ、かつ複数のインフォーマントに問い合わせのメールを送り、
やっと全体像を把握できた。新語辞典には、「原義は映像が止まる、静止する、
転じて、場面や動作が止まること、確定すること、固定することを言う。」と
記載されていた。だいたいそういことで、インフォーマントの皆さんの意見も
一致を見ている。この単語の出現(動詞として)は比較的新しく、映画とか、
撮影とかの分野で使われ始めた、ということである。その方面の知識や関心が
ないと、なかなか覚えられない単語だと思う。しかし中国の若い世代がことごとく
知っていた、ということは、一時限りの流行語ではなく、定着したものと思って
良さそうな感触である。もっと学習範囲を広げ、アンテナを高くしていかなければ
ならない、と反省した。

★本日の学習進捗状況
1.単語帳(Campus Wide)
13冊目 4ページ目(全39ページ、1ページに30単語)

2.祖國的陌生人(6〜275ページ)「三峡纪行」
60ページ目。第2章に突入。

3.中国語作文−その基本と上達法(1~253ページ)
47ページ目

4.音読「三国志演義」(10−67ページ)
27ページ目

5.音だけを聞いて長文を暗記する
耳が喜ぶ中国語 13課

•祖國的陌生人 p45 (向南方)
當我要離去時,九十歲的老人戀戀不捨,說了很多遍「謝謝」,他的
眼神裡充滿了期待,或許我們應該留下吃飯,或是不久在來看他,他期望有人聽他的
故事,儘管這個故事,早已被歲月弄得殘破不全,但那些往事的悲歡在他的
腹中停留了不久,甚至徹底被歷史遺忘了,他需要把他們傾瀉而出,
並被別人知曉。
私が立ち去ろうとすると、90歳になる老人は名残惜しそうに何度も
「ありがとう」を繰り返した。彼のまなざしは、私たちがもう少し留まって食事を
していくとか、しばらくしたらまた会いに来るとか、
そういう期待に満ちていた。彼は人に、自分の話を聞いてもらいたいのだ。たとえ
その昔話が、歳月の風雨に晒されて、もはや原形を留めていないにしても、ただ
昔日の悲喜こもごもは、彼の記憶にあまり残っていなかったり、甚だしくは歴史から
完全に忘れられてしまっているので、彼はその全てを吐露し、かつ、人に知って
もらいたいと思っているのだ。
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