座学

6年半ぶりに、中国語教室へ通うことにした。今年の年頭に掲げた
重点目標の一つである「翻訳力の強化」を目指してのことである。
ネット学習も考えたが、自分の訳した内容を先生と対面で、
吟味しながら、細かい話もさせてもらいたいとの思いから、やはり
座学方式を選択した。SkypeとかWebなんちゃらは、ハード的にも、
自分のおツム的にもついて行けない、ということもある。昔ながらの
対面教学方式が一番いい。教室は駅近の雑居ビルの5階にあり、
エレベーターがない上に、階段の1段1段が異常に高いため、
翻訳能力だけでなく、脚力や腹筋まで同時に鍛えられる仕組みに
なっている。若い女性の先生とのマンツーマンで、3メートル四方の、
窓のない取り調べ室で、お茶をすすりながら授業をする。もちろん、
自白を強要されたりする恐れはなく、和気藹々とした雰囲気の
中での授業が進んでいく。60分1本勝負になっているが、
第1回目は、あっという間に過ぎた。先生に時計を指示されるまで、
時間の経過に気づかなかった。ここはなんと、時間と授業のレベル
だけでなく、担当する先生のレベルによっても、授業料が変わって
くるのである。私の先生は最高のレベルの方、さすがに授業料も
ハンパない。日本のフットマッサージは(全身マッサージでも)、
1分あたり百円+消費税のところが多く、中国の7倍から10倍の
感覚だが、この教室の授業料はそれよりほんの少しお安い程度である。
フットマッサージだけでなく、中国では美容院や散髪屋も同じ
システムだったことをふと思い出した。見習い生と普通の理髪師、
更にはカリスマ美容師がいて、カリスマは見習いの倍以上の料金
だったと思う。それでもカリスマの予約はいつもいっぱいで、
皆さん、時間を合わせるのに苦労していた。この先生の授業は、
掛け値なしで素晴らしい。従って、予約も取りにくい。毎週でも、
いや、3日に空けず、受講したいのだが、家計にのしかかる
重圧をおもんぱかって、2週間に1度、という目安にしてもらった。
時間は、双方の都合さえ合えば、自由に決められる。まず、
授業の1週間前に、自分の翻訳したい文章(漢字カナ交じりで
800字程度の日本文)を先生に送信する。この1週間の時間を
利用して、双方必死に準備を進め、授業で突合せをし、まずい
部分の訂正と指導を受ける。今回は、ある経済誌から、
アベノミクスに対する論評を選んで、材料とした。突合せと
指導を40分程度で終わらせ、先生の方で、この材料とほぼ同じ
レベルの、関連した別の文章を提示してくれ(このあたりの
準備と心配りが、冴えわたっていると思う)、それの和文中訳を
残る20分で、練習した。今回の総括では、
・訳はしっかりしていて、意思の疎通には全く問題がない。検定でも
、いつも必ず少しは点が取れるだろう。
・呼応表現(複文)が甘く、どうしても全体がぎこちなくなる。
・補語の使用が少なく、全体が滑らかにつながらず、または
 舌っ足らずに陥りやすい。もっと、「上」、「下」、「起来」
 などの補語(主に方向補語)をふんだんに使え。
・「就」や「会」など副詞の使用頻度も低く、やはり全体の
 調和という点で問題がある。
・上記の集大成で、翻訳臭のプンプンする中文ができ上がっている。
 細かく見ていくと、「中国人なら、こうは言わないよなあ」という
 箇所が相当ある。もっと原文に親しみ、インプットを増やせ。

という調子で、問題点を洗いざらい指摘してもらった。
まあ、言われてみれば、おっしゃるとおりで、ただただ恐れ入る
ばかりである。おみやげに先生が準備してこられた、目の覚める
ような素敵な模範訳も手渡してくれた。これは、本当にすごい
収穫である。翻訳資料を読むとき以外、日本語を全く使わないので、
文法用語なども含めて、使いそうな語句をあらかじめ調べて
覚えておく必要がある。最後に先生の方から言明があり、緊張して
拝聴した。いわく「内容からいって、他の受講生の授業準備に比べ、
この授業の準備には異常なくらい時間をとられるので、翻訳教材は
必ず1週間前送信、のルールを厳守してほしい。その代り、自分も
最大限の緊張感をもって臨み、貴方の当面の目的(検定試験合格)
達成に貢献できるように努力する。合格を請け負うことはできないが、
少なくともそこに至る道のりを共有したい。」と。こちらも、
「改善点の指摘と、問題の解決案(できれば複数)の提示があれば、
それでよい。試験うんぬんは、すぐれて属人的な事柄なので、
もとより他人様には期待していない。」と返事しておいた。「
必ずアタシをシアワセにしてね。」とは、お願いしないことに
している。中国語の運用能力の高い中国人にはなかなか、お目に
かかれない世の中である。今年は春先から、ほんとうに縁起がいい。


・蜗居  P4
但海萍总是失败。曾有一次,在现场海萍都快成佼佼者了。没人能出过她的
在房东要价基础上多给4万的价钱。她狞笑着得意,终于胜券在握。我海萍
也是有资产的人了!其实,那套房子还不如第一套房子。海萍边出价边怀念
那个大大的北间,那傲人的层高。至少从使用面积上说,那套房子还是
适合居住的。若是当时横心买下,屋子上下隔隔,能整出四室两厅啊!
就在某个夜晚,海萍曾经掏出4000块订金,买下过一套面积60平米的二手房。
那时候,海萍的肚子都已经吹打的气球一样了。主要也是实在不能等了。
谁知,三天以后,房主来个电话说:“对不起,订金还你,我再补500块
你的损失,我不能把房子卖你了。有人比你多出两万五。”为了肚子里的
宝宝,海萍不断地深呼吸,压制怒气,说:“勿气勿气。一套破房子而已,
一个不守信的人而已。等妈妈有了钱,给宝宝买别墅去!”
海萍はしくじってばかりいた。1度だけ、家を見に行ったとき、もう少しで
うまくいきそうになったことがある。家主の要求した金額に、彼女は
4万元上乗せして答えたが、他の誰もそれを上回る額を出せなかったのだ。
彼女は我が意を得たり、やっとこれで決着がついた、自分もとうとう
資産家の仲間入りだわ、とばかりにニンマリとした。でも実際、その家は
最初に見た家より良くなかった。海萍はお金を払いながら、前の家の
北向きの部屋がとても広くて、天井も堂々として高かったことを思い出して
いた。少なくとも居住面積からいって、あの家は充分に住むことの
できる広さだった。あのとき思い切って買い、部屋を上下に仕切れば
、4LDKにすることができたのだ。ある晩、海萍は4000元の手付を
払い、60平米の中古を買おうとした。そときすでに、海萍のおなかは、
膨らみ切った風船のようになっていて、要するに実際、もうそれ以上は
待てなかったのだ。ところが、3日後に家主から電話があり、
「申し訳ない。手付金を返す。更に違約金として500元、支払う。家を
あなたに売れなくなった。あなたより、2万5千も多く出す、という
人が現われたんだ。」おなかの中の赤ちゃんのことを考え、海萍は
何度も深呼吸をして、怒りをこらえた。
「怒らない、怒らない。どうせボロ屋だったし、家主は約束を守れない
ヤツだった、それだけのことよ。おかあさんはお金ができたら、あなたに
別荘を買ってあげるからね。」
・没人能出过她的在房东要价基础上多给4万的价钱。
構造を理解するのが難しい。「她的价钱」の間の挿入部分がやたらと
長いためだと思う。
・胜券在握
「稳操左券」というのもよく出てくる。意味は同じで、「十分な
 勝算がある」ということ。

★本日の学習進捗状況
少し前進。
1.単語帳(Campus Wide)
11冊目 65ページ目(全69ページ、1ページに30単語)

2.「蜗居」(1〜303ページ)
31ページ目

3.日中・中日翻訳トレーニングブック(90~146ページ)
121ページ目

4.茉莉花 2回目音読完了。3回目。39ページ目。

5.音だけを聞いて長文を暗記する
耳が喜ぶ中国語 6課

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