中国語関連の出版社その1

先日のバザールで100冊ほど引き取っていただいたけれど、
まだ1500冊ほど本が残っていて、その7割がたは語学関係、
そのうちのまた6割がたが中国語関係である。更にそのうちの
半分ほどが原書、という構成になっている。うず高く
積みあがった本をボーっと眺めていると、著者もさることながら、
出版社にもいろいろあって、しかも著者以上に各社出版方針に
個性があって面白いなあ、というようなことを思った。以下に、
自分のイメージというか、感想というか、中国語関係に絞って
出版各社に対する思いをまとめてみたい。更に自分の持っている
書名もついでに記しておく。独断と偏見に満ちているので、
その点は十分お含みの上、ご一読いただければ幸いである。

*大学書林
昔は、英語以外の語学書というと、まずここしか頭に浮かば
なかった。昔というのは、どのくらい昔かというと、うーーんと
昔である。かなり手広く世界中の言語に関する本を出していて、
学習者の極端に少ない言語も取り扱っているせいか、本の値段が
べらぼうに高い。薄っぺらいパンフレットのような本でも
5千円越えはしょっちゅうだった。最初から大量販売は狙って
いない。どうしても欲しい人だけ買ってね、の超アカデミック
開き直り路線である。最近はさすがに競合他社に押されて元気が
ない。新刊が出ているのかどうかも知らない。
・中国語4週間(四个星期中国话)
おそらく自分が一番最初に買った中国語の参考書だが、もう
絶版になっていると思う。

*光生館
ここも老舗だが、相変わらず元気に中検関係の本を出し続けている。
その他の参考書も非常に多い。ほぼ中国語に特化しており、
図書目録を見るだけでもなんだかウキウキする。自分にとっては
常に新刊書は要チェックの出版社である。辞書は「現代中国語
辞典」が有名だが、「中国語常用フレーズ辞典」など、ユニークな
ものが多い。
・日本人の誤りやすい中国語表現300例
27年前の出版ながら、今でも参考にさせてもらっている。名著だと思う。

*東方書店
言わずと知れた業界ではトップを走る専門出版社。東京と大阪に
自社店がある。中国語に関しては、ないジャンルが何もないぐらい
全部網羅的に各種参考書、辞典を出している。自分の持っている
だけでも100冊ぐらいはあると思う。辞書は「東方中国語辞典」を
出している。これはずっと前「中国語の辞書」の記事で紹介済み。
とにかくその出版量に圧倒される。
・例解中国語熟語辞典
熟語、となっているが、これは成語のことである。自分は主に
この本で成語を覚えた。

*白帝社
東方書店を追う中国語専門出版社。朝鮮語やモンゴル語もほんの
少しあるが、ほぼ中国語1本の出版姿勢である。、特徴としては、
比較的薄い小冊子風の参考書が多い。やはり、全網羅的だが、
なかでも中級の読み物(薄い本)が充実していると思う。読み物の
場合、薄くて、すぐに読み終われるものがいいと思う。本格的な
小説読破に入る前のいいトレーニングになると思う。自分も少し
短文が読みとれるようになった頃、超短編小説集を買ってきては、
一生懸命読んでいたような気がする。意外と知られていないが、
学術書もたくさん出しており、「中国語史通考」、「現代中国語の
空間移動表現の研究」、「中国語の諸相」など、堅い方面でも、
興味深い本が多い。
・簡明中国語文法ポイント100
郭春貴先生の説明がすばらしい。座右の書にしている。

*朝日出版社
ここも地味ながら、中国語にすごく力を入れている出版社である。
相原 茂先生の「はじめての中国語学習辞典」が有名。参考書類は
小冊子の形態で、気軽に始められるものが多い。当然、大型書店に
行かないと見つけられないので、なんとなく宝探しみたいに感じる。
初級レベルの本が充実しているが、下記のようなものもある。
・時事中国語の教科書
毎年1冊、その年のホットな話題をニュース形式で紹介したものを
本にして出版している。CDつきなので、ディクテーションの練習に
もってこいである。CJの今月のニュースよりも、はるかに長い文の
構成になっている。

*白水社
ここも語学に力を入れているが、自分はフランス語の方で、むしろ
お世話になった。フランス語関係の本の方が中国語よりもずっと
多いと思う。しかし中国語でも「白水社中国語辞典」(以前の記事で
紹介済み)を始め、格調の高い、キラッと光るような本がある。
やはり、語学関係では名門の出版社だと思う。必要最小限のこと
だけを覚えて、最短で資格試験に合格っ、のような類ではなく、
じっくりと語学と向き合い、周辺知識も含めて、重厚な学習を
目指す人に向いている。でも最近では、「エクスプレスシリーズ」を
出したりして商業活動にも意欲的になっている。
・中国語の入門
29年前に出された入門書だが、入門書中の白眉だと思う。見開きの
左側に会話形式の例文、右側のページに説明とその練習問題があり、
全80課もあって、既習事項が繰り返し出てくるように構成されている。
昔、スラブ系言語の大家であった千野栄一先生の提唱されていた
学習方法を具現したような本で、最初見たときは大いに感激したのを
覚えている。

*大修館書店
大手のメジャーな出版社。なにも中国語に限ったわけでなく、広い
ジャンルの本を出している。むしろ、中国語の本などないだろうと
思っていたが、家にある本を探してみると結構出てきた。堅い
ところでは「新訂中国語概論」歴史的なものでは「あじあブックス
 中国語の歴史」、あと「中国語基本語ノート」や「一歩進んだ
中国語文法」、「中国語教室Q&A101」など、ハイクラスな本が多い。
上記の白水社と同じく、じっくりと取り組む人向きの本が主体に
なっている。
・「ネイティブ中国語 補語例解」
補語表現を徹底的に勉強するためにうってつけの本。流暢な会話を
目指すなら絶対に、「成語」よりも「補語」が大事だと思う。
(続く)

★本日の学習進捗状況
1と4だけ少し進展あり。

1.単語帳(Campus Wide)
11冊目 60ページ目(全69ページ、1ページに30単語)

2.「杜拉拉升职记」(8〜261ページ)
261ページ目  読了

3.日中・中日翻訳トレーニングブック(90~146ページ)
109ページ目

4.茉莉花 1回目音読完了。2回目。41ページ。

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