語学の試験

楽しみながら、またなかなか合格しないので、同時に苦しみながら
中国語の試験を受け続けている。自分の試験に対する考え方の
ようなものをまとめてみた。

1.語学試験の性質
語学の試験は級を設けて合否を判定するタイプとスコア式で
ランキングを示すタイプがある。中検や英検は前者で、TECCや
TOEICは後者に属する。後者の得点表や、前者の合格証が、
直接的に就職や昇進につながる場合がある。大学入試と同じで、
合格すれば入学でき、不合格ならできない、こういった鮮明に
待遇や環境が変わる場合の語学試験は、とにかく合格や
高得点取得を目指さなければならない。そのために有効な
受験テクニックがあるなら、ためらわずに実行すべきと思う。
手段を選ばず、というと聞こえは悪いが、0か100かの世界である。
ただひたすら突破あるのみである。
しかし世の中、上記のような例は、どちらかというと少数派かも
しれない。語学を通じて表現力・理解力を高め、自分の知らない
外国の文化(範囲は漫画アニメ、テレビドラマから歴史・文学・
経済・教育・スポーツ・風俗などべらぼうに広い)に触れ、旅行や
定住、外国の友人との交流など、人生を豊かにするために勉強して
いる人が結構多いかと思う。そうなってくると、外国語試験に対する
態度も当然、変わってこなければならない。
試験の結果は、いわば瞬間風速のようなものである。ダイエットに
例えると、体重計に乗ってみるようなものである。ある種の試験の
合格証(判定書?)には賞味期限が記されていて、「この証書は
2年間有効」とか書かれているそうである。つまり「実力」は
2年間しか認めませんよ、ということである。私に言わせると
2年間などは大甘で、せいぜい1ヶ月どまりだと思う。人間の
進歩のスピードは遅いが、退化のスピードは速い。人は更に
勉強して進化していくか、何もせずに退化していくか、たいてい
どちらかで、ずっと同じ状態のままではいられないと思う。
このあたりの理解に欠けている人は、いつまでも「合格」の
快感が頭の中に残ったままになっていて、「xx級に合格した
けれど、○○はできません。」とか言っているが、できないのは
恐ろしい勢いで退化が進んでいるだけのことで、しごく自然な
現象である。目指す体重に達した瞬間に、喜んでしまい、一生
その体重でいられると錯覚して、次の日から体重計に乗らなく
なってしまうイメージだろうか。中検でいうと、準1級を目指して
おられる方を何十人も存じ上げているが、なかなか合格できずに
しつこく勉強を続けている人と、昔一度だけ合格したので、
そのあとあまり勉強していない人を比べると、実力は(今後の
発展性も)前者の方が遥かに上であることに気づく。つまり
不合格者の実力が往々にして、合格者の実力を上回っているのである。
この点を多くの人が誤解していると思う。ことほどさように、
継続する、ということはすごいことだと、改めて認識させられる。
合格した人・高得点者を安心・堕落させてしまう、これが語学試験の
最大の欠点かもしれない。

2.語学試験の内容
語学学習で求められるものは何か。外国語の範囲の中で、
a.聞く
b.話す
c.読む
d.書く
この4つが、どの程度できるか、ということに尽きると思う。
文字を持たない言語ではもちろん、a.とb.だけで充分である。
また死に絶えた古代の言語を研究するときは、c.とd.だけになる。
ポピュラーな現代語の学習では4つとも全て必要である。
例えば「入門クラス」だと「你好」、「谢谢」、「再见」に
ついて、聞いて理解でき、自ら発話することもでき、字を見て
発音して理解もし、これらの文字を書くことができれば、
それで、O.K.だとする。準1級ではこの3語だけでなく、6000語
ぐらいで、1級なら1万語超レベルで同じことをやりましょう、
という話になる(更に「語順」などというやっかいなオマケも
ついてくる)。
この前提で、今の1級・準1級の試験でいくと、「聴解」、
「聴写」、「中文和訳」、「和文中訳」、それに来年度から
準1級でも実施されるという「口頭試験」、これで上記の
a.b.c.d.を全てカバーできる。これ以外は不要と思う。ではなぜ、
慣用句や成語を含む、語句の意味を問う選択問題が出題されるのか。
経済的な問題だと思う。マークシートで試験をすると、手間が
省ける、機械による省力化が実現できる。全部記述式にして
実施すると、採点が大変で、専門的な人力を大量に動員しなければ
ならない。今の受験料収入ではとても、やってらんないわ、という
ことだと思う。かといって、受験料を5倍にすれば、低所得者や
苦学生をますます遠ざけてしまい、中国語の普及という趣旨から
大きく外れてしまう。そこで、苦肉の策で「こんな成語を知って
いる人なら、きっと読解力も会話力もあるだろう」という推測の
もと、判定をする。しかしそこには当然、論理の飛躍があり、
慣用句や成語を、そこだけ切り取って覚えてしまいがちになり、
そうなると、a.b.c.d.の実力判定からは乖離し、ただの
「雑学クイズ・トリビアの泉」になってしまう。「马后炮」
=「後の祭り」とせっかく覚えても、その発音、文字、それから
聞き取ること、これを使っての作文、などができないと、本当の
実力に結びつかない。なにかとやっかいなものなのである。
たくさんの単語や成語を覚えたのに、リスニングなどのときどうも
聞き取れない感じのする方は、その語について上記のa.b.c.d.全て
できているかどうかを検証されると良いと思う。

★本日の学習進捗状況
出張多く、あまり進捗せず。中検の過去問が面白いので、他を
休んで、これを先にやってしまうことにする。

1.単語帳(Campus Wide)
11冊目 43ページ目(全69ページ、1ページに30単語)

2.「杜拉拉升职记」(8〜261ページ)
133ページ目

3.作文ルール66(2~163ページ)
完了

4.茉莉花 1回目音読完了。2回目。

5.中検スペシャル 光生館の過去問(1999-2012)
2008年度 途中

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