和文中訳と中文和訳

以前にも同じようなことを記事にした記憶がある。重複するところが
多いと思うが、お許し願いたい。中国語の各学習項目の中で一番何が
難しいか、と問われれば、何と答えるべきだろうか。人それぞれだけれど、
自分は「訳す」ことが一番苦手である。特に口頭通訳なんか、
難し過ぎて最初からあきらめている。瞬時に中国語アタマから日本語
アタマに切り替え、またすぐ中国語アタマに戻っていく離れ業は、
自分にはとても無理だと思っている。ずうっと中国語のまま、または
日本語のままの方がよほど楽である。この点書面の翻訳は同じく難しい
けれど、時間的なプレッシャーがそれほど深刻ではないので、頑張れば
何とかなるのでは、という淡い期待と幻想を抱かせる。中文和訳の方は、
教科書の第1ページ目から、中国語の文が登場するから、慣れも
あって、そこそこできるようになるのだが、この進歩の足取りは、
和文中訳に入るとパタッと止まる。最初誰でも日中辞典を引き引き、
少しずつ訳していけるような気がするのだが、気がするだけで実際には
訳せない。中文和訳にもいろいろな文型があって、それを覚えてから
訳していくが、実は和文中訳にも独立したルールがあって、それを
知らないと単語がわかっても中文を作り上げられない。盲点である。
実例を示すと、ある人が「普通のマラソンの半分の距離を走る
マラソンのことを日本語で、半マラソンという。半は中国語で、
一半、マラソンは马拉松、だから一半马拉松といってみたが、
相手に全く通じなかった」というのを聞いたことがある。なぜだろう。
全く同様に、トンコツラーメンにサービスで付いてくる半分の
チャーハンのことを、一半炒饭といってもダメである。このあたりの
ことは中国人に聞かないとわからない。だから、以前は和文中訳と
いうと必ず、日本語の上手なネイティブ先生のご登場を仰がなければ
ならなかった。今でも多分にそうで、細かいニュアンスはやはり
日本人にはわからない。しかしいくらなんでも、少しぐらいはアナタ、
その模糊とした部分をルール化、見える化できないものかと誰しも
思うはずである。上記のクイズの正解は、「中国語では半分の距離の
マラソン、半分の分量のチャーハンのうち、距離とか分量にかかわる
表現は絶対に、はずせないので、半程马拉松とか半份炒饭にしなければ
いけない」からである。ところが、このルールの解明に果敢に
挑戦した参考書というのが意外に少ない。数年前まではほぼゼロで
あった。今回下記の「和文中訳練習」の「300例」を無事に
終了できた(本当に素晴らしい参考書だと思う。多くの方に
おすすめしたい)ので、次の本を物色中だったが、悩んだ挙句、
相原先生の「作文ルール66」(朝日出版社)に決定した。内容は
易しいが、読んでいけばきっと目からウロコの発見があると思う。
練習問題もたっぷりとある。とにかく、中文和訳と和文中訳に
関する、説明が非常に丁寧で例文・問題の豊富な参考書がもっと
出版されてもいいと思う。夥しい量が出版される中国語学習書籍の
中で、最も手薄になっている分野だと思う。この分野が強化されれば、
たくさんの「さまよえる中級人」が救出されると思う。
「作文ルール66」は、講談社の日中辞典の中にも40ほどの
ルール解説があるが、それに更に20余の新ルールを追加した
ものだそうである。全25課で、66のルールを丁寧に説明している。
この本もスピード重視で最初から飛ばしていきたい。11月末の
中検以前に終了できたら、おなぐさみである。

「杜拉拉升职记」P53
拉拉这段日子越发的紧,时常要熬到晚上10点才顾得上吃饭。
下面的人不肯卖力,上面的又不领情,拉拉上下扛着,身边成天
围着一堆供应商,有各式各样的问题需要解决,闹哄哄的
叫人耳根不得清净。拉拉忍着熬着,心里又苦涩又惆怅。

拉拉の仕事は最近ますます忙しくなっていて、夜10時を
過ぎないと夕食のことを考えることすらできない日が続いた。
部下は頑張ってくれないし、上司は自分の気持ちをわかって
くれない、完全に上下の板ばさみになっていた。一日中、
納入業者に取り囲まれ、さまざまな難題を抱え、しつこいほど
聞きたくもない、いやな話を聞かされた。拉拉は耐えに
耐えた。苦しくて、悲しかった。

・3つのde(的、地、得)の混用が見られる。小説では
 よくあることである。
・扛は、多音字。gāngは、重量挙げみたいに両手で重いものを
 持ち上げる、kángは釣竿や鉄砲のように肩に担ぐ、が原義だが、
 ここでは方言で「我慢する」という意味。
・耳根不得清净 は慣用句。不愉快な話を聞く、という意味。
・惆怅 chóuchàng は古風な書面語。ふと襲ってくる悲しさ。

★本日の学習進捗状況

1.単語帳(Campus Wide)
11冊目 43ページ目(全69ページ、1ページに30単語)

2.「杜拉拉升职记」(8〜261ページ)
56ページ目

3.中国語表現300例
156ページ目/156ページ 終了。所要日数110日。

4.茉莉花 1回目音読完了。2回目。

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