日中翻訳教材

前回に続いて、今度は現在学習中の日中翻訳の参考書を紹介する。
タイトルは「中国語表現300例」で、サブタイトルというか、
帯のキャッチコピーは「上手な中国語で満足ですか?」。
思わず、「はい、大満足です。」と答えたくなってしまうが、
コピーの意図するところは、「日本人の上手な中国語ではなく、
よりネイティブに近い発想を身につけましょう」ということ
らしい。まあ、それに越したことはないだろうが、とりあえずは、
ちゃんとした日中訳ができるようになりたいものである。そういう
思いでこの本で勉強することにした。
300例、とあるように、日本語の短文(課題文)が300例あって、
それぞれに、日本人専門家の訳とネイティブ訳が付いていて、
かつ重要語の説明、専門家のネイテイブ訳に対する感想なども
載っている。文章が短いので、歯切れよく進むことができる。
ちょうど、準1級の日中翻訳問題と、同じような分量で、
同じような例文・タッチであるので、試験を受けているような
気にさせられる。以下に例をひとつ掲げる。
課題文
東京地方の大雪で、ほとんどの交通機関が麻痺してしまいました。
私はやむを得ずタクシーで帰りましたが、ふだんの4倍も時間が
かかり、さんざんな目にあいました。

私の訳
东京地方由于下了一场大雪,几乎所有的公共交通都瘫痪了。
我不得已打的回家,但比平时多花了3倍时间,真令人够呛了。
専門家訳
东京地区由于下大雪,交通差不多都瘫痪了。我不得不叫了一辆
出租汽车回家,可还是比平常多花了3倍的时间,吃了大苦头了。
ネイティブ訳
由于东京地区下了大雪,电车几乎都停运了。没办法,只好叫了
一辆出租汽车回家,就是这样也平时多花了3倍时间,真够呛 !

・やはり拙訳の「地方」は正しくない。「地区」にすべきなの
 だろう。納得。
・「公共」は不要か。考えてみれば、白タクだっているかも
 しれないから。反射的に「公共」を付け加えてしまった。反省。
・ただ、「电车」はまずいだろう。「バス」だって麻痺したわけだし、
 「电车」の範疇にバスは含まれないだろうから。この部分は
 日本勢の勝利。
・拙訳の「不得已」は硬すぎたかもしれない。
・「打的回家」、ここは私の一人勝ち。「叫了一辆出租汽车」という
 表現は今でも生きているとは思うが、日常もうほぼ耳にしない。
 この参考書は1997年3月の発行のため、「打的回家」という表現が
 まだ流行していなかったから、無理もないのだが。訳文にも時の
 流れが反映される。

・「多花了3倍时间」は、ひっかからずに正しく訳せた。中国語の
 数量表現には、本当に注意が必要だと思う。
・「够呛」は珍しく、私とネイティブが同じ表現になった。
 「吃大苦头」も是非覚えておきたい表現。

という、調子で進めているが、これがなかなか楽しくて、時間を
忘れてしまう。この本の続編のようなものが出ないかな、と
思っている。


★本日の学習進捗状況
1.単語帳(Campus Wide)
11冊目 21ページ目(全69ページ)
2.論説体中国語読解力養成講座
55ページ目/132ページ
3.中国語表現300例
24ページ目/156ページ

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