中日翻訳教材

下記の「進捗状況2.と3」にある2つの参考書の紹介を
したい。まず、今回は「論説体・・・」のほうから。
サブタイトルの「中国語が読める人になる」はまさに、
看板に偽りなしで、この本を勉強すれば、現代中国語の
書面体はたいてい読めるようになると思う。中文から
日本語への翻訳、ということに完全に特化した参考書である。
だいたい、いまどき、CDもついていない、ピンインも
書いていない、などという参考書にそうそうお目にかかれる
ものではない。これで商業ベースに乗せられると踏んでいる、
のは相当の覚悟と言うか自信があるのであろう。
「みんなで楽しくおベンキョしましょう」といった、昨今の
風潮とは両極端にある硬派の参考書といえる。今まで、自分が
学習・体験した内容が凝縮されて、系統化されて1冊に
まとまっている、そんなイメージである。準1級クラスの方には、
決して難しい内容ではないと思うが、翻訳技術の整理、自分の
知識に抜け落ちがないかをチェックするのに最適の教材だと思う。
「服务」には、「サービス」、「奉仕」、「サポート」の3つの訳を
用意せよ、「经营」は「(商品などを)取り扱う」という意味で
多用される、などなど、これまで自分で辞書や参考書を調べながら、
培ってきた知識が、整然とした形で学習の要点・コラムに現れ、
自分の学習成果が何か専門家のお墨付きをもらったような感じが
して、少しうれしくなる。これまでに学んだ中から練習問題を
2つほど紹介する。いずれも日本語に翻訳する問題である。

1.中国服装协会今年将组织创建”中国服装名城”活动,重点支持
 那些有实力、有潜力的服装城市和区域发展。

難しい単語は何もない、平板な文章だが、私の頭の中で
「组织」と「创建」が激しく衝突した。よく見ると、
「创建”中国服装名城”」という活動を組織する、という
意味なのだが、頭の中を整理するのに時間がかかった。これを
リスニングで出題されたら、おそらく瞬時に意味が取れない
だろうと思った。日本語でもS+O+Vが多重構造になると、複雑な
文章というか、ひどい悪文になる。「私はある人が猫がハエが
飛び立とうとするところを捕まえようとしている瞬間を写真に
とろうとしているのを見ていた。」
更に注意すべきポイントがもうひとつある。「有实力」と
「有潜力的」の間にある「、」である。「,」ではないので、
「and」であって、「or」ではない。「実力があり、将来有望な」
と訳す。ぼんやりしていると、対比になっているため、つい
「実力があったり、将来有望だったり」とか訳してしまい
そうである。全文訳:「中国ファッション協会は今年「中国
ファッションシティ」創設活動を組織して、実力があって将来
有望なファッション都市や地域の発展を重点的に支持する。」

2.企业要生存,要发展,就不能不重视提高服务质量,不能
  不重视加强职业道紱建设。

これまた普通の文章だが、私は間違ってしまった。どこで
ひっかかったか、おわかりだろうか。ずっと前にこのブログで
取り上げた「意合法」になっている点を見逃してしまった。
何のマーカーもないが、「要发展,」までが、if-clauseに
なっている。この本の解説では、「要〜」と「就〜」で呼応
表現を形成している、ということだが、これは少し疑問が残る。
別に「要」がなくても、条件節になりうると思う。ここでの
「要」は、「〜したい」という意味に理解して差し支えないと
思う。事実、模範訳でもそのような訳になっている。全文訳:
「企業がもし生存と発展を望むならば、サービスの質的向上を
重視しないわけにいかないし、職業モラル構築の強化を
重視しないわけにはいかない。」

本当に楽しみながら、どんどん進んでいけそうな内容の本である。

★本日の学習進捗状況
1.単語帳(Campus Wide)
 11冊目 19ページ目(全69ページ)

2.論説体中国語読解力養成講座
  53ページ目/132ページ

3.中国語表現300例
  17ページ目/156ページ

3.は次回の記事で、紹介したい。


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