中国語の辞書 その6 日中辞典

日中辞典は、中日辞典に比べて利用回数がずっと少ない。
私の場合、100分の一ぐらいではないかと思う。理由は
いろいろある。読解の勉強量の方が作文より多い、中国語の
場合、単語が全てわかっても、コロケーションその他の
要素が大きく、すぐに作文に結びつかない、などの問題がある。
例えば、「请坐」を「どうぞおかけください」の意味として
覚えても、「どうぞお召し上がりください」の中文訳には
「请吃」を当てられないもどかしさがある。中国語の学習は、
まず読解の練習、それには語彙力の増強をも行い、学習が
かなり進んだところで、中作文や、自分の表現したいことを
盛り込んだ会話練習を開始する、というのが順当な進め方
だと思う。それで、だと思うが、日中辞典は、中日辞典より
種類がうんと少ない。私の使っている3種類を紹介する。
27.小学館日中辞典 第二版
この辞書は、2.で紹介した小学館の日中辞典とペアをなす
ものである。だいたい、人気の辞書は、中日・日中両方が
出ている場合が多い。初版は1986年で、この辞書が信頼できて、
実用性の高い、初めての日中辞典だといえると思う。その後、
2001年に第2版が出た。第2版では便利な囲み記事や、コラムが
増え、利便性が高まった。収録語数は9万語。すでに、発行後
11年を経ていて、更なる改訂が待たれるが、現在のままでも
イチオシの辞書であることには違いない。
28.講談社日中辞典
こちらは、1.で紹介した中日辞典とペアをなすものである。
2006年の発行で、相原 茂先生の手になるものなので、例に
よって便利な工夫が随所に見られる。CDまで付いている。
最も特筆すべきは、本の中ほどに、「翻訳ルール46」という
ページが挟み込まれており、日中翻訳のコツやルールを解説
している点である。この46のルールには1から46まで、
「R01」のような番号が振られていて、本文の例文で、
そこで適応されている翻訳のルールが番号で示されている。
例えば、「考える」という単語の例文で「2,3日考えさせて
ください」に「让我考虑两三天」の訳を付け、更に「R02」と
書いてある。それでルールブックを開くと、「R02 文脈に
隠れた代名詞を探せ」となっている。日本文に「我」がなくても、
中文の方では必要ですよ、というわけである。この46の
ルールは単独でそれだけを覚えても、作文のとき大いに役に立つ
優れものである。収録語数は7万6千語で、上記の27.に一歩
譲るものの、「日中対照ことわざ成語」などの付録が満載のため、
ずっしりと重い一冊になっている。
29.三省堂クラウン日中辞典
これも4.で紹介した辞書とペアをなすものである。こちらは、
2010年の出版で、かなり新しい。日中は上記2冊で決まり!と思って
いたところへ、この辞書の発売開始広告を見つけ、本屋にいそいそと
出かけていった。収録語数は、4万7千語で物足りないものの、新語も
積極的に取り入れられており、コラムも充実していたので、購入した。
特徴として、何を血迷ったか、日本語単語の項目のあと、中国語の
訳語があり、そのあとに英語訳が付いている点である。例を挙げると、
「そとづら」、「外表 wàibiǎo」、「an appearance」と並べてある。
はっきりいってムダだと思う。英語を持ち出すなら、全文を訳した
ものをつけて対比させるべきであろう。

★本日の一文
不要等待机会,而要创造机会
チャンスを待っていてはいけない。
チャンスは創るべきものなのだ。

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