中国語の辞書 その4 新語辞典

新語・流行語の類は「百度」や「谷歌」で調べるのが
手っ取り早い。しかし私はこの分野でも、紙の辞書に
頼っている。それで解決しない場合だけ、ネットで調べる。
新語辞典は、それぞれ編集方針が異なり、採録されて
いる単語が本によって全然違う。それがまた楽しい。
以下の配列は厳格ではないが、一応、私のオススメ順である。

11.同学社中国語新語辞典 五訂版
同学社も知る人ぞ知る、中国語出版の雄である。この新語
辞典はとても息が長い。1990年に初版が出て、2008年に
第五版が出た。収録語数は9000語。この辞書にしかない
単語も数多くあり、頼もしい。監修は、私の尊敬する
金丸邦三先生。著者は中国人だが、あまり聞かない名前だ。
12.大修館新語ビジネス用語辞典
主編者が、ビジネス中国語の第一人者塚本慶市先生なので、
ビジネス用語と最近の新語を絡めた構成になっている。
12500語が収録されている。ユニークな特徴として、
カタカナ固有名詞の日中訳が、調べられる点が挙げられる。
「锐步」、「 柔和七星」はどういう意味ですか?とクイズ
として出題しても、面白い。正解はそれぞれ、「リーボック」、
「マイルドセブン」。
13.講談社現代中国語新語辞典
またしても講談社、そしてまたしても相原 茂先生である。
収録語数は13500語で、例によって「逆引き単語帳」などが
ついていて、学習者に対するサービス精神旺盛である。
収録語もポイントをついていて、この辞書でしか解決しない
問題にも、ときどきぶち当たる。
14.小学館中日辞典新語・情報編
これは2.で紹介した辞書の増補版のような形を取っている。
収録語数は20000語である。メインの中日辞典との重複を
避けている、とのことで、たしかに狙いどころがいいと思う。
新語辞典として普通にオススメできる。
15.中国語現代用語実例辞典
南雲堂フェニックスの出版で、私にとってはムチャクチャに
懐かしい名前の出版社である。余談になるが、大学でラテン語を
履修したときに、この出版社のテキストがボロボロになるまで
勉強したことを思い出す。この本の編集方針は風変わりで、
1.から8.までで私が紹介した辞書に当たり、それらに全然、
または1種類の辞書にだけしか、収録されていなかった単語だけを
選び出して、この本を作った、と前書きに書いてある。また、
見出し語の横には、ピンインと訳語、その下にその出典となる
中文と出典名、更にその下に日本語訳がついている。収録語数は
書いていないが、あまり多くないと思う。やはり、ときどき
助けられる。
16.明石書店中国新語・流行語小辞典
出版社を見て、ドキっとした。かなりヤバそうな書店ではないか。
しかし、実際に内容を見てみると、別に騒ぎ立てるようなことはない。
ただ、収録語数は100語にも満たず、はなはだお粗末。辞典と
いうよりは、ネットで拾った流行語にちょっと解説を加えた程度の
小冊子といったイメージで、類書のレベルには到底及ばない。
中国人と日本人の共著だが、聞いたことない人たちで、なんとも
シロウトくさい。オススメできない1冊である。
17.汉语新词词典 学林出版社
最後の2冊は、中国で出版されたもの。この本は復旦大学の先生が
書いた辞典である。わずか2000語の収録ながら、語の選定が鋭いと
思う。上記、15.と同じく訳語以外に例文とその出典が記されている。
当然日本語訳はない。
18.现代汉语新词语词典 上海辞书出版社
こちらは20000語を収録している、かなり本格的な新語辞典である。
ただし、例文はなく、説明文だけ。また巻末には、アルファベット語の
解説も付いている。この辞書にしかなかった、という単語に何回も
遭遇している。頼もしい(続く)。

★ 本日の一文
没有哪种教育比得上逆境
いかなる教育も、「逆境」には及ばない

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