昼寝 その1

2年ほど前に読んだショートエッセイを紹介する。東方航空の機内誌に
載っていた文章である。なにげなく読み始めたが、あまりのおかしさ
アホらしさに、身をよじって笑いをこらえていたところ、隣の乗客に
「大丈夫ですか?乗務員をよびましょうか?」といわれ、あせって
「イヒエ、なんでもありません。ギヒヒヒ。」と答えて気持ち悪がられて
しまった。日本人から見れば、突っ込みどころ満載で、なんとも
アホらしいのである。まあ、外国人の見る日本なんてこんなものかも
しれない。「一休さん」のアニメは中国では、私たちの想像を絶する
ほどの大人気で、30代くらいの人で知らない人はいない。未だに
繰り返し再放送されている。みんな、「一休さん」を見ておとなに
なったようである。この前も、40歳くらいのオッサンが、街中で
「スキスキスキスキ、スキッスキッ、イッキュウウウサン」とか、
日本語のテーマソングを歌いながら歩いているのに遭遇した。
知恵のある弱者が、その知恵で、悪い権力者をギャフンと言わせる
ところに、この上ない快感を覚えるのかもしれない。ウィグル族の
民話「エッフェンディ{阿凡提}の物語」も同じ理由で人気がある。
まあ、それだけ言論に対する抑圧がひどいということだろう。という
わけで、アイデア商売を始めたお兄さんも「一休」という名前に
なっている。機内誌は、スチュワーデスのオネイサンに無理を言って、
分けてもらってきた。ちょっと長いので、2回に分けて掲載、
日本語訳は自分でつけてみた。間違いがあればご叱正を仰ぎたい。




一休哥的新职业
小时候读书,看到“宰予昼寝,夫子曰朽木不可雕也”,心中大惑,
睡个午觉居然比不交作业还要可怕?当时父母正努力培养我睡午觉的
习惯,难道这个今天的‘好习惯’在古代竟然如此十恶不赦吗?
今天在中国如孔夫子一样评价午睡的,倒是不多了。但在素来强调
勤勉的日本社会,几年前,“昼寝”,还是一个很不被人接受的脾性。
虽然一直有医学方面的学者提到午睡的好处,但是在日本社会这个词
和懒惰,没心没肺还是大体属于一个意思,至少找工作时“昼寝”的
家伙是不太容易如愿的。
然而,近几年来,日本社会对于午睡的看法,却有所改变。比如
民主党议员熊谷俊人,就引用“朝日新闻”和NASA的研究数据,
要求日本政府促进学校让学生养成“午睡”的习惯。
熊谷的说法是,“昼寝”能够提高学习效率。他的说法得到了久留米
大学医学部内村直尚教授的支持,内村调查了1000名职员和学生,
并且说服他们协助做午睡的实验,结果发现每天45分钟的午睡,
可以让人大大降低疲劳的程度。进行午睡实验之前,志愿者们在回答
“是否在工作中会感到疲惫”时,回答“是”的达到88%,而养成
午睡习惯之后,则只有42%。
日本政府2003年厚生劳动(卫生)大臣的国情咨文中,也提到
“参考法国,西班牙等国家情况,午睡对于提高工作效率是一种良好途径”。
有趣的是,在日本,如果仅仅强调午睡对于身体的好处,不太容易
为社会所接受,但问题上升到提高工作效率的角度,就成为大家都可以
赞成的事情了。以前怕被人家说成懒惰的公司职员,也纷纷站出来说
午睡的好处。

一休にいさんの新商売
小さいころ勉強していて、「宰予、昼に寝る。夫子いわく朽木彫る
べからずと。(孔子が宰予という人が昼寝をしているのを見咎めて、
腐った木に彫刻できない、のと同じように、素質のないものは、
教えても大成しない、と叱った。)」という文章に出くわし、大いに
あせった。昼寝をするのは、宿題を忘れるよりも恐ろしいことなのか。
当時両親は私に一生懸命、昼寝の習慣をつけさせようとしていた。
現在のこのすばらしい習慣は古代では極悪非道のことだったのだろうか。
今日の中国では、孔子さまと同じ考えの人はあまり多くない。でも
昔から勤勉を重んじる日本の社会では、数年前まで、昼寝は、とても
受け入れられない悪癖で、医学博士が一貫してその効用を述べているのに、
「なまけもの」、「やる気なし」などと同じくくりで考えられていた。
少なくとも求職中に昼寝をするようなやつは、その望みをかなえることは
難しいとされていた。
ところが、ここ数年、日本社会の昼寝に対する見方が変わってきた。
例えば民主党の熊谷俊人議員は、朝日新聞とNASAの研究データを引用
しながら、政府に対し学校で学生に昼寝の習慣をつけさせるように
指導せよと、要求している。熊谷議員によると、昼寝は学習効果を高める、
というのだ。彼の意見は久留米大学の内村直尚教授の賛同を得た。
内村教授は、1000人の職員と学生の協力の下、昼寝に関する実験を
行った。結果、毎日45分の昼寝は、大いに疲労を緩和する、
ということがわかった。実験の前、被実験者のうち、仕事中に疲れを
感じるか、という問いに対し、「はい」と答えた人は、88%に達したが、
昼寝の習慣をつけたあとでは、42%に下がった。
2003年の厚生労働大臣の報告でも、「フランスやスペインの状況を見るに、
昼寝は仕事の効率を高めるのに、有効な手段である。」としている。
面白いのは、日本の社会では単に健康にいい、というだけでは、
なかなか社会に受け入れられないのに、仕事の効率を高める、という
話になれば、たちまちみんなの賛同を得られる、という点だ。
怠け者と思われるのを恐れていたサラリーマンたちも、続々と
立ち上がり、昼寝の効用を論ずるようになってきた。

★ 本日の一文

身健不妨远,情亲未肯疏

元気だったら、遠く離れていてもかまわない
気持ちさえ通じていれば、一緒にいなくても
親しみを忘れない


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