深く反省

日曜日に、中検を受けてきた。今回は、ビジネス中検とやらの併願に
したため、30周年記念のシャーペンを2本もいただいた。隣の
オネイサンたちは受験料が高いのが気にいらないらしく、「こんなもの
配る余裕があるなら、受験料もっと安くしてよ。」などと、おっしゃって
いた。私はその点には思い至らず、ただ2本ももらえた幸せだけをひとり、
噛みしめていた。このあたりが人生を楽しく過ごすコツではないかと思う。

さて、肝心の内容である。聴解の方はなんとなく無事に過ごした(1問くらい
間違えたかもしれないけど)あとの、ディクテーション、ここで私は、
前代未聞、空前絶後、古今未曾有の過ちを犯してしまった。これだけ
アホらしい過ちを犯すためには、普通、伏線というものがある。単なる
失敗の言い訳だという説もあるが、数日前の体験談から話を起こす。
先日、内陸部に出張し、うちの商品をお使いいただいているユーザーさんを
訪問した。そこは化学染料を製造する工場で、予想通りのひどい汚染企業で
あった。廃液はそのまま何の処理もせず、横に流れる川に垂れ流している。
沿海部では、さすがに外国メディアの目にもつくし、大都市住民の反発も
強いので、こういう企業は、内陸へ、内陸へと逃げてくる。内陸の貧しい
地方政府にとっては、ありがたいことで、雇用は創出されるし、税収がばかに
ならない。どんな汚染企業でも優遇されるのである。住民はいい迷惑だと
思うが。取り締まりも全くしないか、形式的なものだけ、企業幹部と市政府
役人は完全に癒着している。工場見学をさせていただいて、染料とは製造の
過程で、たくさんの廃物を出すものであることを知り、「染料=環境汚染」
という強い記憶のシナプスが、私の頭の中に形成された、ようである。
そのあとの今回のディクテーション、やたらとran liao という単語が
出てくる。そのたびに私は一生懸命、何の疑いもなく、「染料」と書き
続けていた。しかしアナタ、ナレーターさんは、さかんに「風力発電」とか
「クリーンなエネルギー」などと言っているのである。ranの発音も
確実に2声である。当然、「燃料」でなければいけない。でも、あとから
気がつくテンカンヤマイで、ハッと思ったのは、解答用紙を提出してから
1分ぐらいたった後だった。このことから、繰り返し耳で聞き、繰り返し
自分の口で復唱した単語は長期記憶に残りやすい、という事実が証明
されたのだけれど、失われた点数はもう、戻ってこない。
また今回の特徴として、全文通して2回、書き取り部分だけ更に2回、
という回数には変わりはないけれど、読み上げスピードが格段に
速くなった。まあ、ナチュラルスピードよりは、まだゆっくりだけれど、
書き取るときは殴り書きにならざるを得ない。私の場合、ひどい悪筆の上に、
あせって書かされるので、サンズイヘンの点が1個少ないだとか、はねるべき
ところをはねていないなど、筆記上の問題でも減点されそうな勢いである。
というわけで、今回は散々なディクテーションとなった。
続いて筆記でも、とんでもない失敗を犯した。
「既来之,则安之」の正しい意味を、4択で選ぶ問題。私は正解の選択肢
「已经来了,就应该安下心来」がうさんくさく見えてしまい、これを
除いたほかの3つの中から、一生懸命、回答を探していた。今から
思えばアホみたいな話である。この言葉は、自分が日常で友達と話すときにも
何の違和感もなく使っている言葉である。「大変ですねえ」と人に言われて、
「いや、こうなった以上、しょうがないですよ。前向きに対策を考えてみます。」
という感じだ。読み下しても、
スデニ コレニ キタルアラバ、スナワチ コレヲ ヤスンゼン
で、非常に明白な言葉である。これを間違うようでは、さすがに
熱くなる。中文和訳、和文中訳はいつもよりは、ましだった。全体的に
見れば、前回より、かなり点数を落としていると思われる。

脳の中で、深く静かにアルツハイマーが進行しているのかもしれない。 

★ 本日の一文
人才以智术为后,而以识度为先

人材を選ぶときは、知識や技術は第2義とし、
見識や度量を優先させなければならない。


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