勉強法の続き その1

勉強法の分析を続ける。しつこいが、判断の3つのポイントを
再掲する。

項目1.目と耳を駆使して、脳に単語などの関連情報をインプット
    しようとしているとき。
項目2.口を使ってインプットした情報を確実に自分が使えるように
    なるまで発声し、記憶を定着させながら、音でも、(文字を
    有する言語なら)文字でも、意味を把握しようとしている
    とき。
項目3.把握した情報に思い違いがないか、経験者にチェックして
    もらい、ミスがあれば直ちに修正しようとするとき。

g.ダジャレで覚える
かの有名な相原 茂先生もオススメの方法である。下の方の
例も先生の著作から引用させていただいた。この方法は
エピソード記憶にも結びつきやすく、記憶定着率は抜群と
思う。しかし、日本史や世界史の年号なら全て「日本語の
範囲」なので、問題ないが、外国語の場合、日本語の
ダジャレを使うことで、「母語の干渉」という問題が生じる。
よほど発音がしっかりできていないと、カタカナ言葉を連発
することになり、つまり間違った四声、発音が大量に出て
くるようになるので、コミュニケーションに支障が生まれる。
以前「才能と性格」という記事の中で書いたように、外国語は
そのまま外国語として、受け入れなければいけない、と思う。
まあ、上級者はこういうものを必要としないので、初学者に
便利なように、と考案されたのであろうと思うが、真剣に上達を
考えるなら、まず手を出さないほうが無難と思う。瞬間的に
通じるだけでよい旅行会話なら、「おいくらですか?」は
「door chain ?」、「申し訳ありません」なら、相手の顔を
見て、どんなに痩せた人であっても、その人を見すえて
「デブチン!」と叫べば、事が足りるそうである。私も試して
見たが、状況の助けもあって、見事に通じた。しかしそれに
対して、向こうが何か反応してきたときに、それに応じる能力が
ないと厄介だと思う。

h.リーディングを続ける
これは項目2に直接つながるので、極めて有効,というか必須
アイテムと思う。何度も言うように発音がとても重要なので、
必ず項目3のチェックを繰り返し受けながら、慎重且つ豊富な
メニューで挑戦すると良いと思う。

i.ドラマ(映画)を見る
これも項目2につながり、オマケに芸術性・娯楽性も同時に
楽しめる、というモチベーションにも好影響を与える
素晴らしい勉強法で、強くオススメしたい。できれば
スクリプトがあって、見終わったあとで、目でも内容を
追認できるようであれば、更に良い。当然,要求される語学
レベルは高くなる。私も聞き取れないセリフがとても多くて、
悲しくなることが多い。特に方言などが頻出する場合は、
ほぼお手上げである。挑戦される場合は、画面とセリフに
全神経を集中して、終わったらドッと疲れが出るくらいの
真剣勝負で臨んでほしい。

j.電子辞書会話例文を活用する
これを勉強法の中に入れること自体、神経を疑われるが、以前
ある在日日本人から、「このような方法はいかがでしょうか」と
真顔で聞かれたことがあるので、ひとこと言及する。要するに、
電子辞書に入っている例文を選んでクリックすると、その文の
音声が発せられるので、それで相手が理解し、自分は外国語を
話した気分に浸れる、これを繰り返していると自然に上達する
のではないか、というご意見である。全く普通の勉強しないで、
いきなりこれをやると、音声の全てが自分の知らない表現・
単語ばかりであるので、先の聞き流し学習と結果的に同じで
何もわからない状態が延々と続き、上達する望みは全然ない。

k.とっさのひとことTシャツを着て、外国の町を闊歩する
ここまでくると、「勉強法」の範囲から完全に逸脱している。
白いTシャツの上に、「耳なし芳一」の経文のように、
何百もの「お役立ち例文」とその日本語訳がぎっしりと
書き込まれている。自分の言いたい文章を選び、指で相手に
示す。例えばレストランで、注文したものがなかなか来ない
場合は、「我刚才点的水煮牛肉还没来呢」を店員に向かって
指し示し、コミュニケーションを図る。もちろん中国語の
上達には全く貢献しないだけでなく、五十肩で苦しんでいたり
すると、左肩甲骨の下にある例文など、指し示すことすら
できず、コミュニケーション自体にも失敗する。

l.読解練習問題を解く
文字を有する言語では文字を読んで理解する能力が要求される。
いくら会話中心で行きたい、と思っても読んでわからなければ
文盲であり、メール交換などにも支障をきたす。しゃべれても
語学を習得したことにならない。単語と文型に注意しながら
進めると、項目1に合致するため、確実に上達に貢献する。

今日はここまで。まだまだまだまだ続きそうな予感がする。

★本日の一文

人生不失意 焉(yān)能慕知己

人生は失意のときにこそ、真の友人を知ることができるのである

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