2文字の単語の分析  動詞編 その2

動詞分類の6番目は、おなじみのV + O構造、中国語で言う
動賓構造である。この単語類の大きな特徴として、必ず
離合することが挙げられる。いわゆる離合詞の典型として、
よく話題に上る。
手元の辞書をパッと広げたら、必ず3つ4つはすぐに
見つけられる。近頃の辞書では、ピンインのところに、
// というしるしが入れてある。
離合詞というと、何か特異なものの様に思っている人がいるが、
理屈から考えると、極めて普通の単語である。もし、
「食事する」=「take a lunch」=「吃饭」と仮に
定義すると、「食事する」はこれ以上、分解できない
ひとつの単語(動詞)なのに「take a lunch」の方は
そうではなさそうである。だから「おいしい食事をする」なら
「take a delicious lunch」となるが、別に驚かない。
同様に中国語では「吃一顿好吃的饭」となり、「吃」と
「饭」が左右に泣き別れとなるが、何も違和感はない
はずである。
「结婚」でも全く同じ理屈で理解できる。日本語では、
これ以上、分解できない単語であるが、中国語では、
「婚を結ぶ」、つまり「婚姻契約を締結する」と、
言っているのであるから、当然2文字の中間に他の要素が
入りうる。
结了婚,我准备去美国留学。
結婚したら、私はアメリカ留学するつもりだ。

中間に入るのは、どれくらいの長さまで許容されるか。
理屈に合ってさえいれば、長さの制限はない。

她确定下来,要结一次将来绝对不会后悔的婚。
彼女は将来決して後悔することのない結婚をしようと
心に誓った。

「彼と結婚する」は「彼と婚姻契約を締結する」なので、
「跟他结婚」でなければならず、「marry him」の
連想から、「结婚他」などとしてはいけない。

「见面」も「ツラを見る」なので、「跟他见面」とか
「见他的面」でないといけない。新出単語であっても
この動賓構造を見抜ければ、理解から運用まで非常に
楽になる。最後に自分の失敗談をひとつ。

「从事」という言葉を見たとき、日本語でも
「農業に従事する」とか言うので、たぶんこれは
「コトニ シタガウ」で、動賓構造だろうと
漠然と思っていた。ところが「从事农业」とかいう
表現にぶち当たって、あわててしまった。目的語が
2つになってしまい、中国語文法的にはアウトである。
調べてみると、この単語はなんとV + V構造であった。
「シタガヒ、ツカヘル」、「事える」は「つかえる」と
読むことを発見した。
「19世紀末の李氏朝鮮は、事大主義に陥り・・・」
とかいうときの、「事大主義」も目からウロコ、のように
理解できた。「事を大きくおおげさに言う主義」ではなく、
「ダイナルニ ツカエル」、つまり、近隣の大国が
戦争を始めたら、強そうなほう、勝ちそうな方に
味方についておけば、自国は安全だ、という政策の
ことである。この「事大」は動賓構造になっている。

★ 本日の一文

理贵在于得要兮 事终成于会机

理論は実際に即していなければならず、
チャンスは絶対逃してはならない。


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