四声

中国語は声調を有する言語である。これはなにも中国語の
専売特許ではなく、チベットやタイやベトナムの言葉も
同様である。普通話は4種類しかイントネーションがなく、
タイ語の5声や広東語の9声に比べたら、とっつきやすい。
全声調言語の中で、1,2を争う単調さだ。わずかに
第3声が変調するが、上海方言や福建・台湾で行われる
闽南语をご存知の方から見れば、とても
カワユイ変調規則である。
第1声が55、第2声が13または24、第3声が21
または11、第4声が51くらいのトーンになる(この
数字の意味は1月10日のダイアリーに書いたので、参照
いただければ幸いである)。第3声は以前、本来の214で
紹介することが多かったが、実際の会話における出現率と
いう観点で見ることが多い昨今、半上声(上記の21
または11)で最初から教えるシーンが多くなった。
本来の第3声は、1.その文字を単独で読むとき 
2.その文字が文末に来るとき、3.わざと強調するとき、
など非常に限られた場合のみで、それらの場合ですら、
半上声で読む人がいる。あと第3声は連続すると、前の
方の文字は第2声に読む。
入門段階は、上記で説明終わり、あとは実践練習あるのみ、
ということになるが、ひととおり読めるようになった後が
実はとても大事である。私のオススメの勉強方法は、
漢字2文字の新出単語と、この4声を絡めて覚えていく
やり方である。中国語の単語では2文字の単語が圧倒的に
多い。4文字の単語でも2文字2組に分解できることがある。
2文字単語を円滑に読めれば、読むスピードが格段に
上がり、ひょっとして自分は語学の才能に恵まれている
のではないか、という心地よい錯覚に陥ることができ、
脳内アドレナリンが盛んに分泌され、更なる向学心が
再生産される。つまり勉強の大きな助けになる。

具体的には、4x5のマトリックスを用意する。エクセル・
シートでよい。一方は第1声から、第4声まで4種類、
もう一方は第1声から2,3,4のあと軽声まで入れて
5種類となる。全ての2文字単語はこの表のどこかに
入るようになっている。「生活」なら1−2、「吃饭」は
1−4、「解决」は3−2、「面包」は4−1。
「今年」は「生活」と、「工作」は「吃饭」と同じ
グループなので、同じイントネーションで読めばよい
ことになる。これで20パターン全部を掌握すれば、
声調の勉強は卒業になる。2文字の新出単語が出てくる
たびに、この表のマスの中に放り込んでいけばよい。

2文字単語を勉強のターゲットにする方法は、実は
文法面でも有効なので、また別の機会にお話しする。
2文字単語を発音上意識することは、初級からの
脱皮、文法的に意識することは、中級からの脱皮に
つながると思う。

★ 本日の一文

轻诺必寡信,多易必多难

安請け合いをすれば信用を失い、
簡単に考えすぎると、多くの困難にぶちあたる。


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