概数表現

おおよその数字をいう言い方はどこの国の言葉にも
たくさんある。中国語にも当然たくさん出てくる。
一番簡単なのが、数字の頭につける単語「大约da4yue1」
(書面語では「约」だけでも使う)、「大概da4gai4」の
2つ。後者は「たぶん」、「おそらく」というのが
原義だが、後に概数表現としても用いられるように
なった。
「大约三十个人」、「大概三十个人」

数字の後ろにくっつけるのもある。「左右zuo3you4」は
日本語の「前後」に対していて、おもしろい。
「三十个人左右」
もうひとつ後ろにつけるのは「来lai2」。ただ言い方が
「左右」と少し異なる上に、数字の方にも、「切りのいい
数字」に限る、という注文がつく。5か0の後につく、
という説明だが、私は実際の会話で、5の後につけて
いうのをあまり聞いたことがない、たいてい0で終わる
数字につけられている。
「三十来人」

12月に東北へ出張に行ったとき、また新しいタイプに
遭遇した。うちの製品をお使いいただいているユーザー
さんにインタビューし、問題点をお伺いしたときのこと。
「どのくらいの期間、お使いですか。」
「个把月,还没出现什么问题。」
(1ヶ月くらい、まだ何も問題はないよ。)

1ヶ月程度で故障されては困るが、私はこの表現を
恥ずかしながら、知らなかったので、前半部分が
聞き取れなかった。その次の日に、また移動して
別のユーザーさんに出会い、製品はホンモノを
お使いいただいているのに、消耗品・修理用部品に
粗悪なニセモノを装着しておられるのを発見して、
お願いをした。
「オリジナルの部品をお使いください。製品寿命に
影響しますから。」
「原装进口的零部件价位太高,仿制品毛把钱
就拿到。」
(オリジナルは高すぎるよ。ニセモノなら、1角
そこそこで買えるからね。)

家に戻って辞書で調べると、「百」、「千」、
「万」(←これらも単位と考える)や「里」、
「斤」、「个」などの単位の後にくっつけて、
概数を表す表現、ということだった。辞書では
南方起源の言い方、となっていたけれど、上記
初めの方は、辽宁省锦州、後の方は河北省秦皇岛で、
共に生え抜きの地元の方だったので、この表現も
もはや全国区なのだろう、と思う。ともあれ、
またひとつ勉強になった。

★ 本日の一文

把脾气拿出来,叫本能,把脾气压下去,叫本事

腹が立って、そのままぶちまけるのを、本能と呼び、
腹が立っても押さえ込んでしまうのを、才能と呼ぶ。


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