ディクテーションは朝がいい

朝は仕事や学習にとってのゴールデンタイムだそうである。
私は土曜日の朝に「听写」に取り組むのが習慣になってしまった。
コーヒーを飲みながら、耳を研ぎ澄まし、ボールペンを握って、
難問に挑戦するときが、1週間のうちで最も贅沢に過ごす時間だ。
私の師事するshrimp先生から、1週間に1回、「听写」の
課題がメールで送られてくる。時事ニュースが多いが、
ナチュラルなスピードで、男声あり、女声あり、非常に
バリエーションに富んでいる。送り返されてくる添削も非常に
丁寧で、詳しく調べ、復習するととてもタメになる。
具体的な作業手順
1.1回目は神経を集中して全文を通して聞く。このときに
  だいたい何についての話かを理解する。細部には
  こだわらない。
2.2回目以降は、繰り返し聞きながら、必死に簡体字で
  書き取る。このときもわからないところは飛ばし、
  拾えるところだけを懸命に拾って書いていく。
3.最後にいよいよ残った不明の部分、聞き取れないところを
  選んで繰り返し聞く。「ディクテーションは一種の
  作文である」とshrimp先生は喝破しておられるが、まことに
  そのとおりと思う。全体として、意味的・文法的に
  つじつまがあってなければ、何かが間違いなのである。
  最後に全てを検証して終了。わからない箇所は、そのまま
  にして、メールで先生に提出する。

ここまでの作業で、だいたい45分くらい。日本語の介在する
余地が全くなく、純粋に中国語世界に浸れる。負荷が大きく、
脳みそは、いい汗をかくが、いわゆる「母語の干渉」をほぼ
100%排除できるという点で、理想的な学習方法であると思う。

添削されて帰ってきた答案は、間違った箇所と全く聞き取れ
なかったところを勉強する。「聞き取れなかった」には
3種類ある。
A その単語は全く知らなかった
B 文字を見ればわかるのに、音を聞いても理解できなかった
C 音そのものの問題(雑音が大きい、声が小さい、話者の
  なまりがひどいetc)

Cは除外して、AとBでは、問題としてどちらが深刻か。Aに
多大なショックを感じるのに、Bは、見たら理解できるんだから
まだマシだ、と感じる人の語学はまず上達しない。Bは単語の
覚え方、ひいては、勉強の仕方そのものに大きな問題があると
考えられる。早急に是正しないと前へ進めない。音を聞いて
意味を取る、というのが大事で、見たらわかる、などという
のは、なんの自慢にもならない。

勉強法については、実に多くの方法があり、また日を改めて
自分の考え方を述べたい。とにかく「听写」はとても有効な
学習方法に違いなく、特に中検2級以上を目指される方には
是非、お勧めしたい。

shrimp先生の講座はまだ他にも数種あるし、初級から
上級者まで、幅広く対象とされているので、自分にあった
内容で受講できる。巷の中国語教室では、各クラスの
他の人のレベルに合わせなくてないけない、という苦労と
いうか、欠点があるが、shrimp先生の方は、原則個人指導
なので、先生の方が受講生の実力に合わせてくれるのである。
欄外にリンクを張っておいたので、「中国語を話そう」の
ブログを見て、研究してほしい。

★本日の一文

尝试让别人去读懂你,好过挖空心思去读懂别人

自分の心を他人が察するように仕向けるほうが、
無い知恵を絞って人の心を読もうとするよりも
ましだ。


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