再びディクテーションについて

以前にブログに書いた内容と重複するが、最近新たに気がついたことがあるので、
書き加えてみたい。ディクテーションの上達を図る手順についてである。
一番肝心な入口のところで、重大なことを書くのを忘れていた。それは発音である。
聞き取りなわけだから、発音が正確に聞き分けられなければいけない。そして
正確に聞き分けるためには、正確に言い分けられなければならない。つまり、
相手に負担をかけずに、しっかりと伝わるような発音を自身ができているかどうか、
これが最初の関門になる。入門時の発音の重要性を多くの人が強調しているが、
これまた多くの中国語学習者が、きれいにスルーしてしまっている。難しくて、
できるようになるまでの練習が苦しいのもあるけれど、思うに、字を見てなんとなく、
たいていのことは理解できてしまう外国語なので、そこに興味を見出すと、
文章解釈の方向に突き進んでしまい、発音は置き去りにされてしまうのだと思う。
ところが、会話を楽しみたいとなると、当然言い分けられて、且つ聞き分けられる
能力が必須であることに気がついて慌てるのだが、今更mā, má ,mǎ, màなんて
やってらんないわ、ということになって、「楽しい会話」からは去っていかざるを
得なくなり、「筆談」とか、いくつかの「決まり文句」、「定型フレーズ」のみの
連発とか、非日常的な分野を開拓していくことになる。私の知っている学習者の中にも、
この種の方向に発展中の人が多い。ご本人がそれで幸せならば、何も周囲がとやかく
言う必要はない。テレビのニュースを聞き取りたいとか、会話したいとか、
仕事上必要とか、字幕なしで映画を楽しみたいとか、贅沢なことを言い出すので、
応分の努力をさせられる羽目になる、ということなのだろう、と思う。
さて、相手に伝わるだけの発音の実力が備わった後はどうするか、これが以前と
重複する部分だが、やはり、
1. 耳で聞いて瞬時に理解できる単語の量を増やす
これに尽きると思う。「さあ、どこからでもかかって来い」と豪語するためには、
どんなに少なくとも1万語くらいは必要、且つその分野での特殊な単語も併せて
仕入れておかなければならない。大変なことである。それからディクテーションとも
なると、
2. 字が書けるようになること。
更に、
3. 確たる文法の知識を持つこと
これは理解の大きな助けになる。
このあたりを、何年かかけて練習していれば、ついにはできるようになる。必ずなる。

次に自分の失敗談から、思い込みが強すぎて、誤解した例をいくつか紹介したい。

・有と由
声調が異なるのだが、以下のような例では、全く同じ音となり、「组成」が
出てくるまでは、どちらか特定できない。
该委员会由五位专家、学生代表、市政府职员以及若干外国有识之士组成,・・・

・持续と继续
これは発音が異なるので、しっかりと聞く必要がある。使われる場所がよく
似ているので、思い込みが強いと間違える。

・燃料と染料
これは以前の中検での出題。思い込みが強すぎて、2声と3声の差に気がつかず
じまい。こういうのは、文脈からの判断も当然有効となる。

・及と即
単音節の接続詞は要注意。口語では2音節が当たり前だが、「以及」と言って
くれれば、何の問題もないものを、単音節では、一瞬切れ目が分からなくなってしまう。

・与と于
声調が違うが、場合によっては同音となるので要注意。出てくる場所も似ているときがある。

・雨と语
これも中検。同じく単独で来られると、どちらも可能な場合があり、とまどう。

・文明と闻名
全くの同音なので、文脈から判断するしかない。

・精力と经历
これも上記に同じ。両方ともよく使われる単語である。

・结构解构
発音が酷似していて、出てくる場所もよく似ている。文脈から攻める必要がある。

・这是と就是
ふつうは全然問題にならないが、街頭録音など発音不明瞭の場合は混同する。
文法的には、どちらでもおかしくない、という場合が多い。

・单日と当日
音が違うのだが、思い込んでいると気がつかない。文脈も十分考慮する必要がある。

以上


★本日の学習進捗状況
1.単語帳
14冊目 1ページ目(全29ページ、1ページに30単語)
本日、新しい単語帳に移った。第13集は、作成にちょうど1年かかった。第14集は、
もっと短期間で駆け抜けたい。お受験シーズンなので、単語強化とディクテーションに
集中して勉強している。

2.百年中国散文精选(1〜425ページ)
19ページ目
1.洪水与猛兽 蔡元培  読了
2.少年中国说 梁启超  読了
3.秋夜    鲁迅   読了   
4.雪     鲁迅   読了
5.从百草园到三味书屋 魯迅  読了
6.故乡的野菜     魯迅  読了

3.中国語作文−その基本と上達法(1~253ページ)
46ページ目

4.音読「三国志演義」(10−67ページ)
27ページ目

5.音だけを聞いて長文を暗記する「耳が喜ぶ中国語」(全110課) 
13課

6.論説長文読解「ビジネスリテラシーを鍛える中国語 I」(1課〜30課)
進まず。

•祖國的陌生人 p240(毛之後的中國)
1960年代的香港,是一個喧鬧、動亂、被各種災難和新觀念充斥了的年代,它也是
老式的華人社會與殖民地統治的混合體。
1960年代の香港は、かまびすしく、騒動が起こり、さまざまな災難と新しい考え方が
街中に溢れかえっていた。それはまた旧式の中国人社会と植民地支配の混合体でもあった。

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