第82回中検

今回は引越しと就活とお役所の諸手続きと不動産売却と、私事だけでこれほどまでに忙しかった
経験はなかったと思うが、そういうてんやわんやの中で、一服の清涼剤としての、中検お受験と
なった。現実からの一瞬の逃避として中検を選ぶ人もなかなかいないと思うが、やはり間違いなく
心安らぐひとときではあった。今回もいつもの会場、毎回出会う顔馴染みの試験監督官(優しそうな
中国人のおばさん)と、慣れた環境(でも今回が最後のため、住所変更届を提出した)での
受験だった。入り口で配られた会場案内を見ると、準4級と準1級は1室、4級が2室、人気の
3級は4室、2級が3室だった。準1は42人が来るはずだったが、来場者は30人程度、
男女半々だった。棄権者が多いのはいつものことながらもったいないと思う。まだじっくり
答え合わせもしていないが、まあ可もなく不可もなく、いつもと同じくらいの出来栄えと思う。
でも、最初の聴解は、設問がわかったようなわからないようなところがあり、とりこぼしが出ている
気もする。あとでゆっくりと、引越し屋の見積もりが終わってから、検討しよう、と思っていたら、
家内が誤って解答を書き写してきた問題用紙をシュレッダーに! 一瞬あっと思ったが、
「遅かりし、由良のすけ」、機械の中に吸い込まれ、細切れミンチになってしまいましたとさ。
ディクテーションの方は、今回は珍しく完璧にできた(と思う)。ひとつひとつの書き取り文が
短かったのが幸いしたと思う。不明の部分はなく、書き終わってから、これはいくらなんでも、
という書きなぐりの、ひどい文字だけ選んで書き直した。書き直しのような贅沢な時間が
取れたのは、実に今回が初めてである。聴解の問題で「涙」に関する研究が面白かった。
喜びの涙と鬱屈の中から絞り出される涙では、含有されているたんぱく質の成分が全然
違うそうである。泣きたいときは、思いっきり泣くのがよい。デトックス効果も発揮される。
男ももっと泣かなければならない。豪快に泣くことは健康を増進させ、長寿をもたらす。
女が男よりも長生きなのは、よく泣くからである(ホンマかいな)。というような伏線を経て、
閲読の第1問に突入。ここで事件が勃発した。第1問本文は本当にしびれるような美談であった。
年のせいか涙腺が弱くなり、ハラハラと涙をこぼしてしまった。自分の学生時代の体験と
あまりにも似ていて、激しく感情移入が進んで行ったからだと思う。中検の設問を見て、
試験会場でもらい泣きしてしまう人もあまりいないだろう、と思うが、周囲からも鼻水を
すする音が聞こえてきたので、ああやっぱり皆さんも感動のあまり・・・、とそのときは
思ったが、今から考えると、単なるインフルエンザか花粉症だったのかもしれない。
「读者」系のお涙ちょうだい、の美談をこよなく愛する向きには、強く一読をお勧めしたい。
とにかく、気持ちの整理に時間がかかってしまったが、気を取り直して解答を続けていった。
類義語・慣用句の問題とかけっこう誤答した可能性があり、今回もあまり高得点は
期待できないが、自分の最大の課題である中訳と日訳はいつもよりはよかったのではないかと思う。

★本日の学習進捗状況

1.単語帳(Campus Wide)
13冊目 12ページ目(全39ページ、1ページに30単語)

2.百年中国散文精选(1〜425ページ)
12ページ目
1.洪水与猛兽 蔡元培  読了
2.少年中国说 梁启超  読了
3.秋夜    鲁迅   読了   
4.雪     鲁迅   読了
やはり短編は読みやすく、時代感覚あふれる随筆の方が、
作り話に過ぎない小説よりも、読んでいて安心感がある。

3.中国語作文−その基本と上達法(1~253ページ)
46ページ目

4.音読「三国志演義」(10−67ページ)
27ページ目

5.音だけを聞いて長文を暗記する「耳が喜ぶ中国語」(全110課) 
13課

6.論説長文読解「ビジネスリテラシーを鍛える中国語 I」(1課〜30課)
進まず。

•祖國的陌生人 p113(北京故事)
大街小巷裡處處可聽到「北京歡迎您」的歌聲,但是「您」是有著確切和清晰定義的。
我的西藏朋友抱怨說,他們難以用自己的身份證在北京登記一家旅館;那些居住在地下室,
工地上,依靠小攤位為生的北京建設者們,都離開了;北京新製作的顯著路牌上,
僅僅標出高級酒店和體育場的名字,彷彿這1700萬人口的城市,僅僅為此存在,
夜晚一個接一個的派對,是為外來者準備的;那些身穿藍白相間制服的義工們,
碰到講英語的人時過分熱情。我們抗議西方的傲慢,但是當西方真的到來時,
我們又過分具有服務精神。
北京では津々浦々まで「北京はあなたを歓迎します」の歌声を聞くことができるが、
この「あなた」には正確ではっきりとした定義がある。チベットの友人は、自分の
身分証明書では、北京で旅館に宿泊することもかなわない、とこぼしていたし、
地下室や工事現場に住み、道端の露店で生計をなしていた北京の建設者たちもみんな
去っていった。北京の新しく作られた、よく目立つ道路標識には、高級ホテルと体育館の
名前だけが記されている。1700万の人口を擁するこの都市は、恰もただこのためだけに
存在するかのようだ。毎晩次々に催されるパーティーは、外来者のために企画され、
紺と白のツートンカラーに身を包んだボランティアたちは英語を話す人たちには過剰に親切だ。
我々は西洋人の傲慢によく文句を言うが、その西洋人が本当に来たときには、またまた
過剰にサービス精神を発揮するのだ。

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