準1の口試とTECCの結果

今回は試験直前に野暮用が入り、東京でのんびりしようと目論んでいたのに、ほぼとんぼ
返り状態になってしまった。それでも一応、若い友人たちには、携帯メールでご挨拶だけ
させてもらった。捲土重来、次回もきっと来るから、そしたら思いっきし遊ぼうね、と
約束を交わした。会場は、貸し会議室ビルで、この日は高校生を対象にしたベネッセ
東大模試とかち合っていて、100人くらいの高校生のあふれるばかりの若さと歓声に、
もみくちゃにされながら、指定の教室に向かった。待合室に入ってみると、係りの人と
試験参加者が、ほぼ同数。非常に不思議な感じがした。確か筆記試験の合格者は、
70人くらいいたはずなのに、ここにはたったの8人。全員日本人っぽい。各地の
一次試験合格者が10人に満たない場合は、合格した人は大都市に集まってもらって
二次試験実施、という話は聞いていた。自分もその理由で上京させられた、という
認識である。であるならば、この、集められた結果の8人は少なすぎる。ここ以外にも
試験会場はあるのだろうか。奇奇怪怪。しばらくすると、一人目の超ミニの女の子が
受験番号を呼ばれて、待合室から出て行った。隣に座っていた付き添いだと言っていた
同年代の女の子も一緒に面接室に入ろうとしたが、制止された。そりゃまあ、
そうだろうと思う。待合室には何もなく、手持ち無沙汰で、ひとりまたひとりと
消えていき、再び戻ってくることのない人たちを見ていると、なんか不安な気持ちに
なった。牢屋から出された罪人が死刑を次々に執行されいくようなイメージである。
最後の死刑囚となった私もついに呼び出されて、面接室へ。ノックして入ると2人の
面接官に迎えられた。暖房がきき過ぎていて暑い。一人は日本人の男性、自分と
同年代っぽい。もうひとりは中国人の女性、50前くらいか。おふたりとも、どこかで
見たような、そうではないような、既視感がある。中国語関連なんて、どうせ狭い
世界なので、どこかでお会いしているのかもしれない。とても上品なイメージで、
試験中ずっとニコニコしていらっしゃって、和やかな雰囲気で進んだ。第1問は
緊張ほぐしも兼ねて、おしゃべり風の軽い質問を2題。質問―応答−それに対して
また質問ー応答というパターン。「今日はどうやって来ましたか」「新幹線で」
「混んでましたか」「いいえ」。一つ目はこれで終わり。「中国へ行ったことが
ありますか」「はい、何度も行きました。住んだこともあります。」「その中で
一番印象深かったのは何ですか」「毎日がカルチャーショックの連続で、印象
深いことばかりでした。」面接官2人が、ハハハと笑って、2つ目も終わり。次は
読み上げられる文章を聞いて、通訳練習っぽい問題。日中2題と中日2題。
こむずかしい長文をだらだらと言われるのかと内心どきどきしていたが、とても
あっさりした味付け。「昨日スーパーに買い物に行ったら、ちょうど2割引の
セールをやっていた」少し考えてから、「我昨天去超市买东西,
褰上了他们进行打8折的促销活动。」と答えた。
これでいいのか悪いのかわからないが、面接官はよいとも悪いとも言わず、
終始ニコニコしている。中日訳では「假期 jiàqī」という単語が一瞬
聞き取れず、困っていると、女性の面接官がその単語をもう一度繰り返して
くれた。それでなんとか切り抜けた。でも、ヒントを出してもらった分だけ
きっと減点されているのだろうと思う。最後の第3問は、3つある題から
ひとつ選んで、2分間しゃべる問題。準備時間が1分与えられる。
メモ用紙が置いてあって、自由に使っていいとのこと。おしゃべりの途中でも
2分間過ぎると、そこでカットとなる。「我和中国」という題を選んで、
とめどなく、まとまりも悪く、べらべらとしゃべっていると、2分間はすぐに
すぎてしまった。面接官もフンフンとうなづきながら、聞いてくれた。これも
もちろん、いい悪いは、彼らの表情からはわからない。これで全問終了。
説明とかの時間も含めて、12分そこそこの試験であった。しかし、この12分の
ためだけにアナタ、時間とお金をかけて東京くんだりまで、来るのも
いかがなものかと思う。時間的、経済的理由で8人しか集まらなかったのでは
ないかと思った。帰りの新幹線の中で考えたのだけれど、今回の試験内容は
別にして、こういう会話に関する試験は、実は非常に有用で、もっと大々的に
展開していかなければならないのではないかと思った。そもそも中国語を
勉強し始める理由は、中国語話者とコミュニケーションを取りたい、更に
それを利用して、中華圏で、または中華圏の人と何らかの行動を展開したい、
この動機が圧倒的に多いのだと思う。私のように、この特殊な表意文字と、
孤立語特有の言い回しとそこに潜むロジック、古代から連綿と続く、
複雑ながら結構規則的な音韻体系の変化などに魅せられて勉強しています、
などという物好きな人はごく少数派だと思う。だとすれば、今は運営上の
問題で、上位級に限定されている会話試験の裾野をもっと広げて実施
すべきではないか、と思った。でも、谈何容易、実際にどうやったら
いいか、まだいい方法が見つかっていないのだろう。
一部skypeとかを使って実施している試験もあると聞いたことがあるが、
あまり普及していないと思う。言葉の習得は、まず音から入らなければ
ならない。世界中の現有言語は4000とも5000とも言われているが、
全て音を持っている。でも、大半は文字を持っていない。それでも言語として、
コミュニケーションの手段として成立している。旧約ではないが、「初めに
音ありき。」なのである。各地で受験者数を限定して、サクッと短時間で
行うとか、面接試験キャラバン隊を組んで、地方を巡業するとか、
お宝鑑定団だって出張鑑定する時代なのだから、なんか方法がありそうな
気もする。各地の中国語教室とタイアップすることも考えられる。自分の
会話能力が格付けされて、認められればテンションをあげてくる人も
間違いなく増えると思う。このあたりに次世代の中国語産業がもう
ひともうけできるビジネスチャンスがあるのではないだろうか。
「聞き流すだけでしゃべれるようになる」とか、インチキな教材を
作っているヒマに、この方面を真剣に開拓していってもらいたいと思う。
家に帰ってみると、12月に受けたTECCの結果が届いていた。予想通り、
前回と比べて大幅に後退した。またしてもA級陥落の危機に瀕している。
全体平均点自体が下がった、との相原先生のコメントがついているが、
特に今回だけが難しかったとは思わない。また次回頑張ろう、ちゃんと
実施されることを祈りながら。相原先生の名前とイラスト入りで、6月の
TECCを受けましょう、という葉書も来ていた。50円の年賀切手が貼られて
いる。すごい、と思うと同時に、受験者数確保は本当にうまくいくのか、
と少々不安になった。




★本日の学習進捗状況

1.単語帳(Campus Wide)
13冊目 8ページ目(全39ページ、1ページに30単語)

2.祖國的陌生人(6〜274ページ)「三峡纪行」「从上海倒西安」
「北京故事」「 穿梭历史的江南」
125ページ目。新幹線内で第3,4,5話を読了。第6話の
「 穿梭历史的江南」に突入。

3.中国語作文−その基本と上達法(1~253ページ)
46ページ目

4.音読「三国志演義」(10−67ページ)
27ページ目

5.音だけを聞いて長文を暗記する「耳が喜ぶ中国語」(全110課) 
13課

6.論説長文読解「ビジネスリテラシーを鍛える中国語 I」(1課〜30課)
まだ開始できていない。

•祖國的陌生人 p55(三峡纪行)
50年來,中國是世界上最熱衷於修築大壩的國家。1949年,新政權建立時,
它有八座十五米以上高的「大型水壩」,到了1990年,它已筯至一萬九千座,
遙遙領先第二名美國的五千五百座。
この50年間、中国は世界中で最も大型ダムの建設に邁進してきた国であった。
1949年の新政権成立時には、15メートル以上の高さを持つ大型ダムを8箇所しか
持っていなかったのに、1990年になると、それが19000箇所に増え、世界第2位で
あるアメリカの5500箇所を大きく上回るようになった。
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