単語帳を作る

自分で読み返してみても、あまり面白くないブログなので、
読んでくださる方は多くないだろうと踏んでいたところ、
最近になってさまざまな方から、コメントをいただける
ようになった。とても有り難いことだと思う。中には、
わざわざ資料に当たって調べた情報をご教授くださる方もいて、
本当に頭が下がる。異なる場所や環境で、中国語を勉強されて
いる同学との交流が、このブログの主目的なので、本当に
うれしい。これからもますます頑張らなくっちゃ、と思う
次第である。
さて、語学の勉強なので、単語を覚えなくてはいけない。
どこの国の言語でも、起源を遡れば、単語の発生から
興っていると思う。最初に文法を制定して、そのあと個々の
単語を決めて行った、などという言語はないはずである。
旧約聖書ではないが、「初めに言葉ありき」なのだ。更に
言うと、中国語は「孤立語」と呼ばれるグループに属し、
文章全体の各種エレメントの中で、単語の占める位置や
重要性がことのほか大きい。
私は語学の勉強を開始して以来、ずっと紙のノートの単語帳を
作り続け、これを活用して単語を覚える、という手法をとって
いる。この方法は一長一短で、メリットもあるが、デメリットも
多く、広くひとさまにオススメする、というのはちょっと気が
引けるところがある。現代ではもっとスマートで効率のいい方法が
あるに違いない。おまけに、私は過激派に属する単語至上主義者
なので、勉強のほとんどの時間を単語暗記に使っている。もちろん
文法の勉強や作文練習もするし、また最近ではディクテーションにも
ハマッてはいるが、あくまでも単語学習がメインである。従って、
私の作る単語帳はかなり凝っていて、やたら時間をかけている、
といえると思う。皆様の参考にならない懸念も大きいが、一応
おそるおそる、単語帳の作り方、収録する単語の範囲、メリットと
デメリットの説明、具体的な利用方法も含めて紹介してみたい。
ひどい悪筆なので、とても恥ずかしいのだけれど、自分の作って
いる単語帳の1ページを下の写真で紹介する。

1.作り方
左のページの頭の部分に、その単語帳のページ数、出典、その
ページを書き始めた日付を書いている。左ページのメインは、
新出単語、ピンイン、日本語の意味である。右ページには
辞書で調べた、その単語を含む例文を紙幅の許す限り、多く
採録する。左ページの多くの項目は、統計資料的な意味合いがある。
2.調べ方
新出単語は必ず8冊の中日辞典で調べる。使用する8種類の
辞書については、語りだすと長くなるので、後日、別途に中国語辞書
紹介の記事を立てたい。左の欄外に辞書名が書いてあるのは、この
単語はその辞書にしか採録されていなかった、ということを表す。
3つ以上の辞書にあった場合は何も書かず、ひとつ、またはふたつの
ときのみ書く。それぞれの辞書の特性、傾向をあとで把握する
ためである。
3.覚え方
この単語帳を外出のときに必ず持ち歩き、スキあらば広げて、
何度も繰り返して読み、覚える。このときに大事なのは、左の
ページはできる限り見ないこと。右のページだけをにらんで、何が
新出単語で、例文はどういう意味で、ということを確認し、
暗記する。全くわからなくなったときだけ、やむを得ず左のページを
見て、意味を拾う。まわりの条件が許せば、右ページの例文は大声を
張り上げて、何度も繰り返し読む。声を出せない環境では、にらみ
つけて黙読する。最近は出張のとき、飛行機が必ず遅れてくれるので、
空港の待合室が格好の勉強部屋になる。新幹線でももちろん、座った
まま勉強できる。
4.メリット・デメリット
メリットはイメージ記憶・エピソード記憶に残りやすく(特に採録
したときの出典が身近なものであったり、自分の興味のあるもの
だったりする場合)、例文を読んでいれば効率よく覚えられる点。
手も動員して、自分で実際に漢字も書いていくので、手が漢字を
覚えてくれる点。デメリットは単語帳そのものの作成に、かなりの
時間がかかること、訳語など日本語を書き込むので、瞬間的でも、
日本語脳が入り込み、「母語の干渉」という現象を引き起こし、
学習の妨げになること。だから、暗記する段階では、できるだけ
左のページは見ないようにしている。また、単語帳を作るのは
あくまでも手段であり、最終目的は、頭の中に単語を叩き込む
ことである、ということを忘れないようにしている。
5.対象とする単語の範囲
遭遇した全ての未知の単語を対象とする。方言・古語、動植物名、
化学物質名など、今後一生のうち、再びお目にかかることはないだろう、
と思われる単語も含めて、全て調べ上げ採録する。2000語程度の
最終習得目標なら、覚える単語を厳選して、よく使われるものから
順番に覚えていかなければならないが、1万語(自分の場合は
それ以上)を目指すようなら、こんなところで取捨選択している
場合ではない。重要単語から順番に、少しずつ難しい単語へ、という
記憶の順番をいかに守るか、で悩むのはナンセンスである。何から
何まで全て、「ここで出会うのも何かのご縁」とばかりに、
がむしゃらに覚えていく。本当に必要のないものなら、神様が自然に
忘れさせてくれる。自分のオツムの記憶容量、ということが気になる
かもしれないが、「記憶」については、最近面白い本を読んだので、
またこれもおいおい記事にするつもりだが、結論から行くと、記憶
容量の限界を恐れる必要は全くないそうである。また、以前に
調べたような気がする単語でも、その時点で忘れていれば、新出単語と
同じに扱う。単語帳には同じ単語がダブって(またはトリプルで)
登場することになるが、一向に気にしない。
6.ノートの種類
暗記のときは右ページだけを見るので、真ん中で折りたたみやすい
リング式のノートが理想的ではある。1ページ見開きで左側に
30単語を書き込めるようになっているものを選んでいる。最近は
単語罫のノートが絶滅状態になっている。誰もこのような時代遅れの
方法で勉強しなくなったからだろうか。単語カードの方は、どこの
文具店でも売っているのに、単語罫ノートの方は入手が困難である。
まあ、そのときは普通のノートに自分で縦線を引き、単語罫に
作り変えて、使用すればいい話なのだが。

さあ、これで今、自分はどれくらいの単語量があるのだろうか、
ということが少し気になる。単語帳は今ほぼ10冊目を書き上げようと
しているところだ。全部覚えたとすれば、30個 X 30ページ X 
10冊=9,000個ということになるが、うろ覚えのものも非常に多く、前に
調べたことを忘れて2回、3回同じ単語を採録していることもある。
完全に忘れた単語も入っている。全体の7割前後が有効かな、という
気がする。すると6000語強になるが、もちろんこれに、単語帳に
採録はしないけれど、常識として知っている超基本的な単語も
2000語くらいあるので、8000語よりは少し多い、くらいの
レベルだろうと推測している。少なくとも、1万5千語が覚えたい
最低のラインなので、まだまだ道半ばという感じである。引き続き
更なる精進が必要である。

★ 本日の一文
凡事要三思,但比三思更重要的是三思而行

何事も熟慮しなければならない。しかし、熟慮するより、
もっと重要なのは、熟慮したあと、実行に移すことだ。

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